肩こりや首りに悩む人って本当に多いですよね。
中にはあまりに肩がカチカチで、触ってもその触れた感覚がよく分からないという人も・・・
私もひどい肩こりで、時には吐き気まですることがあります(^^;)
ですが、あるセルフケアで、かなり肩こりを緩和して楽に過ごせるようになったのです!
カギとなるのは、「緩める」ということ。
私は、看護師とアロマセラピストのお仕事をしています。
ですが、お恥ずかしい話、最初の頃は手技や手順ばかりで、解剖学的な知識はあまり活用できていませんでした。
ですがそれではいけないと思ったし、自信をもってサービスを提供できない・・・
なので猛勉強し、学び得たことを自分の身体で実践し、評価修正を繰り返しました。
そして、そんな中気づいたことがあります。
それは、症状があるところばかりケアしても仕方がないということ。
この記事では、アロマセラピストの知識と実体験をベースに、特に悩みで多い肩こりをクローズアップして、セルフケアの考え方とアロマを使ったケアの方法をご紹介します。
肩こりには筋肉を緩める!アロマトリートメントが役立つ理由とは?
肩こりや首こりなどがあると、もみほぐしたくなりませんか?
気持ちいですものね~
でも、一時の心地良さではなく本当に緩和するならば、強くもみほぐすのはあまりおすすめではないのです。
というのも、筋肉を傷めてしまう可能性があるからなんです。
反対におすすめなのが、優しい圧でなでさするような手技を行い、筋肉をゆるめるということ。
また、肩がこるからといって、肩ばかりアプローチしても実はあまり効果が期待できません。
その理由も合わせて、まず肩こりの原因をみていきたいと思います。
肩こりはなぜ起こる?
筋肉は通常動作により伸びたり縮んだりしています。
しかし、長時間のパソコン作業など、同一姿勢で特定の筋肉の緊張状態が続くと、硬く短縮した状態になります。
これがこった状態なのです。
そして、筋肉は疲労すると乳酸という疲労物質が生じます。
血行が良ければスムーズに流れて排泄されていきます。
ところが、硬くこった組織の中で血行も滞ります。
すると、乳酸の排泄がスムーズにはいかず蓄積され、痛みや疲れの原因となるのです。
筋肉の緊張の要因は?
筋肉に緊張状態が続くと、疲労して硬く短縮した状態なります。
例えば、
・長時間のデスクワークなどで、同一の体勢が続く
・視力の低下により、ものを見る時に体に力が入る
・精神的なストレスにより体に力が入る
・体調不良や何らかの原因で痛みなどの苦痛な症状があることで体に力が入る
・細かい手仕事などにより体に力が入る
ざっと上記のような要因があげられます。
こりの原因は、離れた場所に?
また、肩や首などがこると、凝った部位に原因があるように思いませんか?
こっている部分をもみほぐしたくなるかもしれません。
もちろん、こりを感じている部分の筋肉が硬く短縮した状態にはなっています。
しかし、そこだけではないんです。
というのも、身体の動きは各部位が連携して行われているからです。
肩のこりの場合、肩や背中の筋肉だけでなく腕や鎖骨下や首のある筋肉もすごく影響しています。
一枚の皮でつながっているのですから当然ですね。
例えば、何かにおびえていたり、自信をなくしていたりする時、無意識に手から肩にかけて力入ることありませんか?
内臓を守るかのように、前かがみの姿勢になったり。
私は知らない道の運転をする時、ついついハンドルを握る力が強くなり、脇をしめて肩が前に入ります。
この時、腕~胸、胸から背中にかけてのある筋肉が硬くなり、疲労します。
その他、パソコンのキーボードを打つ時や、本を手に持って読む時も同じような感じになります。
ちなみに、腕って片方だけでキャベツ1個分あるそうですよ~。
肩からキャベツそれぞれぶら下げているだけでも大変なのに、負担のかかる姿勢になればなお大変ですよね(^^;)
また、心が緊張状態の時、呼吸が速く浅く胸式になりがちです。
できるだけ酸素を多く取り込もうと無意識に胸式になるんですね。
そして、胸式で肩を動かす呼吸の時、首にある筋肉が緊張するんです。
さらに、首の筋肉は首自身だけでなく大きな頭も支えています。
だとすれば、疲れますよね。
このように、肩こりひとつでも離れてみてみると、別の部位が関連してるのです。
なので、ケアをする場合には、その関連部位もアプローチする必要があるということです。
一番良いのは、自分の肩こりの原因は日頃のどんな習慣が影響しているのか。どこの筋肉が緊張しているのかまでわかっていると、より的確にケアできますね。
ですが、そこまで理解するのは大変です。
なので、セルフケアでは、優しいマッサージで首~鎖骨下~腕・手先までの筋肉をゆるめてあげるだけでもかなり変わります。
そこで役に立つのが、アロマテラピー。
アロマの精油には、筋肉をゆるめたり、温めたりする作用をもつものがあります。
また、心もリラックスできると、全身の力も抜けますので、ケアがより効果的にできますね。
筋肉を緩めるなら優しい香りとタッチ!セルフアロマトリートメント
ここでは、私が実際に行っているセルフアロマトリートメントをご紹介します。
方法はかなりシンプル。
・耳の下あたりから鎖骨にかけて
・鎖骨の下から腋窩にかけて
・腕の付け根から手先にかけて
ここをまんべんなく丁寧にさするだけです。
ただ。ちょっとしたポイントはあります。
それは、優しく手のひら全体をしっかり密着させたゆっくりのマッサージです。
優しいアロマの香りに優しいタッチ。
これだと、心身ともにリラックスモードに入りやすいんです。
心を込めて優しい気持ちでケアするのも重要なポイント。
よりリラックスモードに入りやすく、筋肉がゆるみやすくなります。
また、血行も良くなりますから、筋肉の疲労物質も流れていきやすくなります。
こうして筋肉がゆるむと、肩こりはもちろん、心のこわばりもゆるみやすくなります。
上記のマッサージの他、首や前胸部を優しくのばすストレッチをしたり、手をぶらぶらさせるのも良いですね。
筋肉が一定方向に固定された状態が長く続くと、硬くなってこりが生じるので^^
筋肉を緩めるのに強いマッサージは要りません!
上記で便宜上マッサージと言いましたが、決して強くもんだりしません。
もみほぐしは、その時は気持ち良いですが、知識なくすると組織を傷めることがあります。
でも、なでさするように優しいマッサージであればそうはなりません。
私は、以前はマッサージは相手が気持ち良くなるように少し強めにした方が効果的と思い込んでいました。
それに、マッサージをするとみなさん「あんた上手やなぁ」などと言って下さるので、完全に自分はマッサージ上手と勘違いしていたのです(^^;)
もと職場の上司も肩こりがひどかったので、マッサージしたことがありました。
ですが、あまり触っている感覚が感じないくらいに凝っている言うし、首や肩がとても硬かったので、強く強くマッサージしてしまったのです。
でも、筋肉がただでさえ緊張して収縮して、血行不良も起きている状態。
そこにさらに強い圧を加えて刺激してしまえば、筋肉組織も痛めて悪化させてしまうのは当然ですね。
こりを楽にするためにマッサージを受けるはずが、逆に肩凝りを悪化させて悪循環になってしまうのは残念。
一時的には気持ち良いかもしれませんが・・・。
筋肉を緩めるのにぴったりなアロマオイルのブレンドは?
先日母が、首が回らないと言うので、肩と首のあたりを触ってみるとカチカチでした。
母はとても緊張しやすく、日常生活の中でも常に肩に力が入っています。
なので、いろいろな人に肩の力抜いて下さいねと声をかけられるんです。
こりますよね・・・。
その為、首から肩にかけてアロマトリートメントを提案したところ、希望があり実施しました。
この時私が選択したのは、ラベンダー、マジョラム、ペパーミント。
さらっとした使い心地のホホバオイルに混ぜ、トリートメントオイルを作成しました。
ラベンダー、マジョラムともに心身を深いリラックスへと促してくれる作用があります。
特にマジョラムは筋肉を緩めるのが得意な精油。
筋肉をほぐして血行を促し、痛みを緩和してくれる作用があります。
マジョラム精油について詳しくはこちらにも載せています↓
ペパーミントも痛みを緩和してくれる作用があり、私もよく頭痛の時にお世話になります。
ごく少量だとリラックスできるんですよ。
ただ、ペパーミントは量によっては血圧を上げる作用もあり、血圧の高い人に使用する場合注意が必要です。
また、重要なのが香りの好み。
苦手な香りだと、いくらリラックスさせる作用があるからと言っても本当にはリラックスできないです。
なので、香りの好みと合わせて選択するのも大切なポイントになります。
ご紹介したもの以外にも、筋肉を緩めて血行を良くしたりリラックス効果が期待できる精油はいろいろとあります。
実際母親の首と肩を触ってみると、右の後頭部の髪の生え際辺りから首の間に小さな範囲に、プチプチとした存在を感じます。
乳酸ですね。
5分ほど触っていると、少しずつ体の緊張が緩んでくるのが分かります。
「へぇ~ 気持ち良いもんやねぇ」
と言い、気に入ったようで、それ以後もトリートメントを希望してくれました。
しばらく続けてみると、少しづつ首が回るようになり随分楽になったようです。
また、手から腕のトリートメントをすると、かなり力が入っているのがわかります。
ところが自分ではあまり意識がなかった様子。
このような状態が続けば、それは筋肉もかなりこるでしょう。
心の状態は手によくあらわれるのです。
同じ精油のブレンドで、自分自身にもトリートメントを時々行っています。
やり方は上記でご紹介したように、
・耳の下あたりから鎖骨にかけて
・鎖骨の下から腋窩にかけて
・腕の付け根から手先にかけて
ここを隅々丁寧に、しっかり手を密着させて優しくマッサージです。
繰り返し丁寧に行います。
すると、セルフトリートメントをした場合としていない場合では、明らかに肩の状態が違って軽さを感じています。
終わりに
一度のセルフケアで、ずっと調子を保つことはできません。
ですが、どんな姿勢でいると、どこの筋肉に負担がかかるのかがある程度でもイメージできれば、身体の使い方も変わってくるかと思います。
さらに、定期的にセルフトリートメントで筋肉を意図的に緩めてあげる。
これにより、かなり肩こりの辛さからは解放されるかと思います。
ただし、肩こりの原因はここで取り上げたものだけではありません。
肩や背中の凝りが実は胃の不調など、何らかの疾患が原因で肩凝り首の凝り背中の凝りといった症状として表れている場合も・・・
ですから、あまりに不調が続く場合や普段の凝りとはなんか違うなと違和感を覚えるような場合には、適切な治療を受けることが重要です。
上手にアロマを取り入れて、元気に過ごしたいですね。
読んでいただきありがとうございました。
この記事を書く上での参考文献:
・「エフルラージュの教科書」(著者・小澤智子、監修・野溝明子)
・「アロマテラピーの教科書」(著者・和田文緒)
・「感じてわかるセラピストのための解剖生理」(著者・野見山文宏)