患者を介護する家族への支援の現実
最近、急性期病棟でのアロマボランティアに行くと、入院患者様のご家族様とお話しする機会が多くあり、その中であらためて感じたことがあります。
それは、ケアが必要なのは患者様だけではなく患者様に最も身近に関わるご家族様であるということです。
ある面会に来られている男性は、「家ではずっと1人やから誰ともしゃべることがない。だから誰かに会うと1日分の会話が全部出てしまう。」と苦笑しながら話されていました。
また、ある女性は複数の家族の介護を1人で行い、何かあっても他の家族には負担をかけないようにご自身だけでなんとか対応されていました。
ですがやはり、表情には疲労がみられ、不安な気持ちになることも多々あるようです。
もう随分前のことですが、ご主人を亡くされたある女性がこんな想いを話されていたことがありました。
「お父さん(ご主人)がいなくなってしまったのがまだ受け入れられない。辛い。亡くなって病院を出たら、もうケアは終わってしまう。私の心はどうしたらいいのかな。家族へのケアもしてほしい・・・」と。
医療従事者として、とても考えさせられるお言葉でした-_-
私が以前勤務していた病棟には重症な患者様が多く入院されていました。
その病棟は個室が多かったので付き添いをされているご家族様も多く、不安で辛い想いなどを聴かせて頂く機会も多々ありました。
私達はご家族様へのサポートの必要性を感じていたので、カンファレンスで話し合ったり、医師を始めとする他職種との連携を図りながらご家族へのサポートも考えて介入しました。
ですが、ご家族へのサポートまで十分できたとは決して言えないのが正直なところなのです。
患者の最も身近なキーパーソンである家族は全てを抱え込んでいる?
長期に入院が必要であったり在宅療養でいろいろ介護が必要な患者様の、最も身近なキーパーソンとなるご家族は1人や2人であることが多いです。
もちろん周りの家族もいれば何かと心配して協力してくれるかとは思います。
ですが、それぞれに生活があり問題を抱えていたりすると、なかなかSOSを出すことが出来ず、最も身近なキーパーソンとなる人が1人で抱え込んでしまうケースも少なくありません。
そして、心身共に無理をしてしまい、限界の状態にまできている人も多いです。
患者様だけではなくご家族へのサポートはとても必要なことなのですが、十分にサポートを受けることができていると感じているご家族は少ないのではないでしょうか。
もちろんご家族へのサポートにも力を入れてケアをしている医療者もいらっしゃいます。
ですが、なかなか時間的にもシステム的にも人材的にも難しい面があるのかな・・・
と正直思います。
ボランティア活動の中でできる家族への支援を考える
ボランティアに行かせていただいている病棟でも看護師の方々を始め、医療スタッフ皆様連携しながらとても熱心にしっかりとしたケアをされていると思います。
ですが限られた時間の中では、いくら想いがあってもなかなかゆっくりご家族様のお話しを聴く時間をつくるのは難しい時も多いと思います。
なので、私はボランティアで行かせて頂く時は患者様へのアロマトリートメントだけではなく、ご家族のお話しを聴くこともしたいと思っています。
月に1回2回のボランティアだし、本当に微力です。
それでも看護師としてたくさんの患者様とご家族様を観てきた経験を活かして、アロマの香りと共に少しでもご家族様の心が軽くなるような関りが出来れば良いなと思っています(^^)
読んでいただきありがとうございました☆