気持ちの切り替えがすごく早い人っていますよね。
ついさっきまで悲しんでいたはずなのに、今見たら笑っている。
怒られて落ち込んでいたくせに、翌日にはケロッとしている。
そういう切り替えの早い人に対し、薄情だなぁと感じることが以前はたびたびありました。
そして、なんだかイラッとしてしまって・・・
この記事を読まれているあなたもそうでしょうか。
ですが、最近の私は、
「切り替えが早い=薄情はちょっと違う]
と感じているんです。
もしあなたの身近に、切り替えが早くて薄情だなと感じる人がいたら、それは誤解かもしれません。
そう考える理由をここでお話したいと思います。
切り替えが早い人って薄情!そう感じる理由とは?
辛いことがあったはずなのに、次に顔を見た時には何事もなかったように笑っている。
以前は、そういう人を見ると、なんだかすごくイラッとしたものです。
その理由を振り返ってみると、自分自身はとても引きずる方だったからだと思います。
そんな簡単には気持ちは切り替えられるものではないと思っていました。
なので、簡単に切り替えられるということは、そもそもさほど何も感じていないからなのだと思っていました。
なので、切り替えが早い人を見ると、なんだか薄情な人のように思えて納得できなかったんです。
私は看護のお仕事やセラピストのお仕事の中でも、さまざまな人の思いを聴かせていただきます。
その中でもやはり、家族や友人に対して薄情に感じるというような不満を話されることは結構多いんです。
その中でこんな事例もありました。
仮にAさんとしましょう。
A さんはある冬高齢のお父さんを亡くされ、辛くて食事も喉を通らず、来る日も来る日も泣いていたのだそう。
大切な人を失ったのですから、そうなるのも無理はありません。
ところが、A さんのお姉さん翌日には淡々と手続きごとなどを進めていたのだそうです。
父が亡くなったのになぜそんな風に切り替えられるのかと、お姉さんに対して思ったと話されていました。
A さんからすれば、お姉さんの様子は信じられないものだったのですね。
お父さんが亡くなったことを、お姉さんはさほど悲しんでいないのだと思ったようです。
また、A さんはお父さんを亡くされた悲しみを共有できるのはお姉さんしかいないと思っていたので、同じ気持ちではないことに寂しさも感じていたようです。
気持ちの切り替えが早い人が薄情であるというのは誤解かも?
気持ちを簡単に切り替えられるということは、その程度にしか考えていないからだろう。
そう思うとなんだか薄情な気がしてきます。
ですが切り替えが早いことは、本当に薄情になるのでしょうか?
以前Bさんという方から、こんなお悩みを聴かせていただきました。
Bさんはご友人に、
「なんでそんな簡単に気持ちを切り替えることができるのか?薄情なんじゃないか?」
こんな風に言われたそうです。
Bさんはとてもショックを受けたと言います。
それまでもBさんは、切り替えが早いということは人に言われたことがあったようです。
ただ、もともと切り替えが早いわけではなかったんだそう。
以前はものすごく引きずる性格だったらしいです。
ですが、引きずったことにより、他の人に辛い思いをさせることになったとか、大切なことを見逃してしまったなどの体験がいくつもあったとのこと。
確かに、辛く悲しい気持ちや怒りの気持ちでいっぱいだと、物事を冷静に捉えるのが難しくなります。
そのことにより、第二第三とトラブルが発生したり、周囲の人を悲しませたりする可能性はあると思います。
なのでBさんは、出来事に対して思うところはたくさんあっても、それを表には出さないようにしたり、捉え方を変えてみたりと工夫をするようになったわけですね。
そうやって努力してきたのに、友人から薄情と思われてしまう・・・
だとすればショックですよね。
そもそも「薄情」を調べてみると、以下のようにありました。
人情に薄いこと。思いやりの気持ちがないこと。また、そのさま。
引用元:コトバンク、デジタル大辞泉
薄情(ハクジョウ)とは? 意味や使い方 - コトバンクデジタル大辞泉 - 薄情の用語解説 - [名・形動]人情に薄いこと。思いやりの気持ちがないこと。また、そのさま。「薄情なしうち」「薄情者」はくじょうさ[名]冷たい・冷ややか・冷淡・不人情・非人情・無情・非情・冷酷・冷血・酷薄・クール・無慈悲・心無い・血...
だとすれば「切り替えが早いこと=薄情」とは必ずしも言えないのではないでしょうか。
今は私はそのように考えています。
終わりに
切り替えの早い人に対し、私は以前誤解していました。
ですが、何も感じないとか思いやりのない人ということではないんですよね。
悲しみや怒りなどを感じないわけじゃないんです。
たくさん思うところはある。
でも、その人なりの理由があって切り替えようとしている・・・
そういう人もたくさんいるのです。
なので、切り替えが早くて薄情に見えたあの人も、もしかしたらそれは誤解であったかもしれません。
いかがでしょうか?
最後まで読んでいただきありがとうございました。