「え?言ったやんか!」
「聞いてないよ!」
「いやいや確かに言った!」
「じゃあ私が嘘ついているとでも?!」
「そうは言わないけど、私も確かに言ったし、じゃあ私が嘘ついているてこと?!」
こういう、言った言わないの水掛け論。
よくある話ではないでしょうか。
特に、身近な家族など、心の距離の近い人との間で起こりがちですよね。
あるいは、お仕事の取引先や、お客さんと従業員のやりとりでも多いかもしれません。
些細な内容であれば流せるかもしれません。
でも、大きな問題となる内容もあるでしょう。
そんな場合、あなたならどう解決されますか?
重大な内容であればあるほど、どちらも必死に食い下がるでしょう。
ですが、必死になればなるほど、複雑になるのは間違いありません。
では、どうすれば良いのでしょうか?
私も、過去に大失敗をおかした経験があります。
言った側なのですが・・・
その経験も踏まえ、
「言った言わないのもめ事が最も平和で気持ち良く解決する方法」
お話します。
ぜひ、最後までお読みいただければ幸いです。
言った言わないの争いが生じるのは私たちのある癖が原因だった
親子の間、友人、職場などなど。
いろいろな場面で、この水掛け論は起こりますね。
私も以前、とても大きなもめ事に発展しそうになったことがありました。
その時は、私は「言った側」だったのですが、私としてはちゃんと理解していてもらわないと困ると思う内容でした。
繰り返しお伝えしていたつもりですし、相手の反応をみても、理解してくれていると思っていました。
ところが、ある時のやりとりで、「聞いてない」となり、頭が真っ白に・・・
ですから、「確かに言ったはず」ということを主張してしまいました。
感情を荒立てたりはしませんでしたが、自分がどれだけ努力したかを主張してしまったのです。
でも、後になってものすごく後悔しました。
そして、その後、なんとなくぎこちなくなってしまいました。
ところで、この水掛け論は、なぜ起こってしまうのでしょうか?
言った方、聞いた方のどちらに責任があるのでしょうか?
結論から言うと、
「どちらにも責任があるし、どちらも悪くはない」
ということになります。
これは、日本傾聴ボランティア協会の傾聴講座に参加した時のこと。
講座内では、こんな話がありました。
「人には3つのワーストの聞きグセがある」と。
そして、中でもこの言った言わないの争いにつながる聞きグセが、
「自己流に話を聞いている」
という、誰にでもある聞きグセなのだそうです。
人にはそれぞれ考え方、価値観、経験があります。
それは本当に、10人十色。
そして、今置かれている状況や、相手との関係性などの背景もあり、それぞれ自分の都合の良いように相手の話を解釈しているのです。
別に悪気はなく、自分では認識もありません。
そして、自分の解釈が当然だと思っているわけです。
お互いに・・・
言った側は、こういう意図で伝えた。
そして、聴き手の反応が良いと感じたら、理解してもらえたと解釈した。
ところが、聴き手はまた別の捉え方をしていた。
でも、お互い理解し合えたと思っているので、それぞれすり合わせることなく経過し、後でトラブルになるということですね。
傾聴講座の中では、さらにこんな情報も。
それは、
「人は聞いた内容の64%は翌日には忘れているというデータがある」
とのこと。
なんとまぁ・・・
お互い都合の良いように解釈し、翌日には話の内容の半分以上も忘れ去っているとすれば、そりゃ言った言わないのトラブルは起きるのも無理はありません。
起きない方が、不思議なのかもしれません。
水掛け論になった時スムーズで穏やかに解決するたったひとつの方法
言った言わないの問題が生じる理由はわかりましたよね。
問題は、このもめ事が起きた場合、どうすると一番スムーズに解決できるのかということではないでしょうか?
水掛け論が起きるということは、恐らく互いに後で確認できる証拠物がない状態なのだと思います。
その状況では、互いに自分の言いたいことを主張するしかありません。
ですが、互いに主張し続けても、解決には至らないでしょう。
解決したとしても、無理やりで、しかも後味は最悪の流れになるはず。
でも、きっと、そんなことは本当は望んでいませんよね。
ここでできる最善の方法、それは・・・
「とにかく相手の話を徹底的に聴く」
です。
あなたにも、言いたいことがやまほどあるでしょう。
ですが、自分の主張は一旦わきにおき、相手の話をまず十分に聴くことが重要です。
↓聴き方は、傾聴を用いるのがおすすめ!
その上で、自分自身を振り返り、確認が不足していた部分などを認めます。
正直、「確かにこう言った」と、主張したくなります。
でも、言った側も聞いた側も、どちらにももめる要因があったのです。
人ともめ事になる時、どちらか一方が100%ダメだったということは、まずありません。
人は誰もが、「自己流に聞く」という聞きグセがある。
そして、翌日には半分以上の内容を忘れている。
そういうものだとすれば、大事な話はその時にしっかりすり合わせて、解し合っておく必要はあったわけです。
ですから、確認が不足していたということは少なからずあったはず。
全面的に自分の責任だと謝る必要はありません。
その上で、自分のやりかたにまずさがあったと感じる部分については、きちんと認めて謝罪することも大切だと、私は考えています。
相手の話を聴くのは、忍耐が要ると思います。
それでも、ここで徹底的に誠実に話を聴いてみてください。
その上で、自分がまずかった部分については認めてください。
そうすると、恐らく相手の反応はやわらかくなるはずです。
そして、相手も、自身にもトラブルになる要因があったことを気付くはず。
徹底的に相手の話に耳を傾ければ、相手の心にもあなたの話の耳を傾けるスペースができる可能性が高いです。
そこであらためて、しっかり話をすり合わせることで、スムーズに解決できる可能性がぐんと高まるはずです。
言った言わないの不毛な争いはもうしたくない!対策はやっぱりこれ!
言った言わないの争いが起きてしまったら、上記の方法で解決するのがベストでしょう。
でも、できれば起こらないようにしたいものです。
そのためには、「人は誰もが都合よく話を聴いている」ということを、しっかり理解しておくことが重要です。
そして、話の内容は64%は翌日には忘れているものなのだということも、知っておくと良いですね。
そういうものなのだとしっかり認識しておけば、重要な話の際には、「まあ大丈夫かな」とあいまいに済ませることが減るはずです。
また、口約束は避けること。
これもすごく重要です。
録音などの方法は、最も確かではあります。
でも、通常の人間関係の中ではちょっとやりにくいですよね。
気まずいですし・・・
ですが、どうしても正しく理解し合っておきたい内容については、きちんとその場で文面にして互いに確認できるようにしておくのがおすすめです。
どちらかだけがメモをするというのは、おすすめしません。
なぜなら、一方だけがメモをしても、そんなものはいつでも書き換えられるものだからです。
話したその時に文章にして互いに見て確認し、さらにその文章をいつでも取り出せるように保管しておくことが大切になります。
文章にしてみて確認することは、互いの解釈のズレを確認するのにも、とても役立ちます。
というのも、文にする時には簡潔でわかりやすく要約するはずだからです。
その文面が認識していることと違うとなれば、話をすり合わせ、互い解釈のズレが小さくなるようにしておけますよね。
終わりに
「自分は言った」
「いや、聞いてない」
これは、みんなそれぞれの聞きグセで話を解釈しているため、起こっても無理はないこと。
まずは、このことをしっかり認識しておくことが重要です。
つまり、お互い違う人間なのだから、話したことが100%正確に相手に伝わっているとは思わないこと。
そして、自分の解釈や記憶も絶対ではないこと。
これらを理解しておくことが、コミュニケーションをスムーズにする秘訣ではないでしょうか。
お互い絶対じゃないからこそ、正確に伝わるように、また正確に理解できるように歩みよるということが大切なのだと思います。
いかがでしょうか?
参考になれば幸いです。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。






