参考になればうれしいです。
「看護師として自信がない」
私は以前いつも思っていました。
自分が患者様にしたケアや処置がどうだったのかをいつまでも考えたり、申し送りでに自分の発言を周りのスタッフはどう思っているか気になったり・・・
辛い症状に苦しむ患者様を前にして、医師が指示するお薬を投与する以外にできることが見つからなかったり・・・
「一体私は、看護師として役に立っているのだろうか?」
「これは看護師じゃなくてもできることなのでは?」
そう考えると、他の医療従事者が自分に厳しい目を向けているような気がしてなりませんでした。
どんな仕事もそうですが、人の命を預かる医療現場では特に確かな知識と技術が求められ、的確に判断して看護にあたる必要があります。
ちょっとした油断や確認不足などが大きなミスにつながり、大変な事態に発展する可能性もあります。
ですから、多少の不安はあった方があらゆる予測を立てて慎重になるし勉強もするでしょう。
けれども看護師として自信がなくて、常に不安でいっぱいだととてもしんどいですよね。
それに、自信のなさは言葉や態度に無意識に出ます。
ですから、目の前の患者様にも伝わり不安にさせてしまう可能性も・・・
さらに自信をなくしてしまうような出来事に結びつくこともあるかもしれません。
ですが、看護師として自信がないと感じている人は、少なくないようです。
そして、その心理の背景にはいくつか共通点も。
この記事では、
「看護師として自信がもてないあなたの気持ちが軽くなる対処法」
をご提案します!
看護師として自信がないのは知識・経験不足のせいだけではなかった
看護師として自信が持てないのは、何故でしょうか?
単に知識や経験が浅いことが問題なのでしょうか?
私は、その心の裏には知識や経験が浅いからというようなシンプルな理由だけではないと思っています。
一年目の時は、とにかくあらゆることを覚えるのに必死です。
そして、知識や技術を習得し、経験を積むにつれて一人でできることは増えていきます。
しかし、私は、経験年数をいくら重ねても、自分の看護に自信が持てませんでした。
この知識が足りないから、あの知識が足りないから・・・と、がむしゃらに知識を詰め込んでいくのですが、一向に自信が持てないのです。
何か特定の知識や経験が浅いことが不安の原因と自分ではっきり分かっている場合には、自己学習やセミナーなどで知識を得たり、イメージトレーニングなどでもかなり不安の軽減につながるかと思います。
ですが、いつまで経っても看護師として自信が持てなくて不安なのは、単に知識や経験を積めば解決するというものではなさそうです。
私は過去に職場を3回変えています。
ですが、毎回同じ問題にぶつかりました。
それは、周りの目が気になって、自信を思って言動できないという問題です。
どこへ行ってもどんなに勉強してもいくら経験を積んでも、自分に足りないものを感じて自信がないのです。
私は、看護師として働く時間が生活の大半を占めていたので看護師の自分に自信が持てないのだと思っていました。
しかしよく考えてみると、看護の仕事だけではなく、いろんな場面で自分には何かたりないと感じていたのです。
そして、周りと比較して不安になっていました。
幸い私は、信頼できる看護師経験のあるセラピストさん達に何度も何度も話を聴いてもらえる機会がありました。
そして、フォローしてもらいながら、少しずつ思いを表出する過程で、自身を客観的に捉えることができるようになっていきました。
そして気付いたことがありました。
それは、
看護の仕事への自信のなさも、あらゆる不安も、全部自分の中に作り上げたイメージによるものであるということです。
看護師として自信が持てないのは、過去にできた傷のせいかも
看護師に限ったことではなく、人は成長する過程で色々な経験をします。
その中で無意識に作り上げられた自分に対するイメージというのがあって、そのイメージが低いといつも自分に自信が持てない状態となります。
また、看護師になってからはたくさんの失敗を重ねます。
時には先輩に強く注意を受けたり、患者さんに怒鳴られるようなこともあるかもしれません。
その体験でいろいろな感情が生じるでしょう。
その感情を適切に処理できていれば良いですが、ケアされないまま無意識に心の傷として残ってしまうこともあるのです。
そして、傷がことあるごとに顔出し、現状と重ね合わせてネガティブなイメージを作り出してしまいます。
すると、また失敗して傷つくのが怖いので、1つ1つの判断や行動に自信が持てなかったり不安になるのです。
そのような場合には、いくら知識や経験が増えたとしても心の状態は変わりません。
どんなに表面的に知識を増やしても、自信が持てないままなのですね。
強みに気づくと看護に自信がもてるように!
私は、正直緊急の処置とか判断は苦手です。
チームリーダーや臨床指導者などもしてましたが、苦手なものは苦手です(^-^;
でも当時は
「看護師ならこれができないと」
「リーダーなんだからしっかりしないと」
など気を張っていたものです。
そして、苦手なことばかりクローズアップしていました。
確かに、臨床で働いていればある程度はできる必要があります。
科による違いや、その職場では最低限知識として知っておいた方が良いことなどもあります。
ですが、現場にはいろんな看護師がいます。
それぞれに得意不得意があって、個性もそれぞれ。
そんな1人1人が集まって、カバーし合ってチームとして成り立っているのです。
大切なのは、みんなが全てを完璧にできる看護師を目指すのではなく、自分にできること、自分の強みを知って最大限に活かすこと。
看護師だからこれができなければいけない・・・などとこだわり過ぎず、自分の強みを活かせる場所やに行ったり、働き方を変えてみるのも1つです。
看護師として自信がないと感じたらまずすべきこと
看護師として自信が持てずに不安を感じると、
「何が足りないのだろう」
「もっと勉強しないと」
など考えてしまう人も多いかと思います。
また、
「看護師とはこうあるべき」
とか
「この職場を離れたら、これまで築き上げてきた看護師としてのスキルがくずれてしまう・・・」
など考えて、看護師としてその職場で働くことに自信が持てないまま、身動きできなくなっている人も少なくありません。
そして、日々悶々と頭の中でぐるぐる考えてしまうこともあるでしょう。
ですが、もしあなたが、努力しているのにいつも自信がなくて不安で仕方がないという時は、一度自分の心に向き合う時間をもってみてはいかがでしょうか。
頭の中で悩み続けるのではなく、きちんと時間をとって心に耳を傾けるのです。
・一体何がそんなに不安なのか
・なぜ自信が持てないのか
・何が気になるのか
・私にできることは何なのか
・看護師の仕事で何をしている時やりがいを感じるのか
自分の心の中を整理してみます。
紙に書き出してみるのも良いでしょう。
また、自分で心に向き合うのが難しければ、信頼できる看護師や仲間や先輩などに話を聴いてもらうだけでも心が軽くなり、気付きが得られることも多いです。
自分の心の中を表に出していくと、
「この事を気にしていたのか」
「あの時の出来事が癒されていなかったのか」
などいろいろ出てくると思います。
また、
「私こういう看護がしたかったんだ」
「そう言えば、私がこれをすると患者さんがいつもありがとうと言ってくれる」
「これをしている時なんかやりがい感じるな」
などに気づけるかもしれません。
その気づきは、自分だからできる看護につながります。
終わりに
どんな小さなことでも良いので、自分はこれだけは絶対負けない!という強みに気づけると、気持ちが振り回されにくくなります。
足りない知識や技術を身につける。
確かにこれらは大切です。
それと同時に、自分の中にわだかまりになって残っているものに気づいて手放す。
そして、他と比べず自分だからできることに気づいて看護に活かしていく。
こうすることで、きっともっと看護に自信がもてるようになりやりがいを感じられるようになるはずです!