うちの愛犬は、散歩に出てもなぜかいつもすぐに帰りたがる。
こんな風に悩まれている飼い主さん、結構いらっしゃるようですね。
私のご近所にも、すぐに帰りたがって抱っこされているわんちゃんなどいます。
でも、犬の散歩は社会勉強、健康の保持増進、ストレス発散など、いろいろな意味で大事ですよね。
ですから、どうにか距離を伸ばしたいと思って試行錯誤する飼い主さんも多いと思います。
私の愛犬も、以前はすぐに帰りたがっていました。
出てから家につくまでの時間が約5分、距離にしてせいぜい長くて500メートルといったところでしょうか。いつも決まってある地点まで行くと、挙動不審になり、逆走を始めるんです。
そして、リードを一生懸命引っ張り、首が閉まってぜーはー。
でも、あるいくつかのことをコツコツ試し続けたことで、今は散歩を楽しめるワンちゃんに!
距離も以前の約4~5倍で、私の足の横について歩いています。
それぞれのわんちゃんにより適切な方法は違うかもしれませんが、この記事が少しでもお役に立てると幸いです。
愛犬が散歩に出るとすぐ帰りたがるには理由がある
犬が散歩には出るもののすぐに帰りたがるのは、理由があります。
ですから、そこを無視して力任せにリードを引っ張っても逆効果になります。
かえって散歩が嫌いになるかもしれません。
ところで、一体どうして帰りたがるのでしょうか?
帰りたがる理由にもいろいろありますが、調べたところ多いのは以下のようなことがありました。
1、外の世界がこわい
こわがりなわんちゃんは、ちょっした音にも敏感に反応しますよね。
例えば、小さい時にあまり人や他の存在に触れ合う機会のなかったわんちゃんは、このような傾向が強いでしょう。
そのほか、過去に何か散歩で思いをした場合もあるかもしれません。
私は、現在一緒に暮らす愛犬を含め、4匹の愛犬と暮らしてきました。
そして、今いる愛犬と3代目の愛犬が散歩が苦手でした。
3代目の愛犬がこわがりで散歩嫌いになった要因は、幼少期の関わり方に問題があったと感じています。
先代2匹の愛犬の時は、特に問題なくのびのび育ちました。
私自身がまだ若く、あまり深く考えず自然に関わったのが、ある意味この2匹には良かったのかもしれません。
ですが、3代目の愛犬の時は、きちんと育てないとという気持ちが強く、勉強しまくり、カチカチに保護してしまったのです。
そのため3代目の愛犬は、他の存人や動物との触れ合いをほとんどもつことなく幼少期を過ごすことになりました。
今思うと、反省です。
今いる4代目の愛犬は、4歳で里親として引き取りました。
そのため、幼少期にどう過ごしたかはわかりませんが、物音などに敏感で非常に繊細な様子でした。
はじめて散歩に連れ出した時は、体を地面に伏せるようにしてリードを強く引っ張り、前に進んだり、急に横に進んだり、逆走したり・・・
今は随分長く歩けるようになり、散歩中草のにおいなど楽しむ余裕もできました。
それでも、周りの小さな物音にも、じ~と耳を澄まして聞いています。
そして、小さい子の声が聞えたり、大きな車などが目に入ると途端に混乱して帰ろうとします。
2、遊んでほしい
帰りたがった時に、わんちゃんをあやしたことはないですか?
私はあります。
「おいでおいで」と呼んで、嬉しそうに寄ってきたらなでなで。
するとすごく嬉しそうにして、その後少し歩くんです。
そのため、つい立ち止まると、あやしていました。
そうしているうちに、立ち止まるたびにあやして歩くという感じに。
立ち止まると遊んでもらえると思ったかもしれませんね。
3、体調がすぐれない
観察していると、帰りたがる時は何かしら体調が悪いのかなと感じる場合も多いです。
また、外の気候が犬にとっては暑い、あるいは寒いなどもあります。
人間と犬とでは感じ方が随分違います。
人間にとっては調度良くても、犬にとってはしんどい天候、気温である可能性も高いです。
ですから、犬の目線でその辺りを配慮してみるのはとても大事ですね。
その他、足にトラブルがあるなど、身体的に歩きづらい事情がある場合も。
丁寧に日々、体の観察もしてみると、理由が見えてくることもあります。
4、散歩がつまらない
散歩に行きたがらない、帰りたがるのは、つまらないと感じている場合もあるようです。
散歩にメリットを感じていないので、帰りたがるのですね。
例えば、草や地面を嗅がせないとか、犬の行きたがらない方向に無理に引っ張るなど、散歩中の愛犬の行動を制限し過ぎていると、わんちゃんは散歩が楽しくないかもしれません。
道にはいろいろな物が落ちていたり、車が通ったりします。
ですから、愛犬の安全を考え、つい頻繁にリードを引っ張り、愛犬の行動に制限をかけ過ぎてしまう飼い主さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
また、散歩させないといけないという気持ちが強い飼い主さんもいますよね。
いずれにしても、散歩中飼い主さんが緊張しっぱなしになりがちです。
飼い主の緊張は愛犬にダイレクトに伝わるので、愛犬も緊張して疲れてしまうことがあるかもしれません。
いずれも、以前の私です。
愛犬の散歩距離を無理なくのばしたい!この方法で成功しました
犬が散歩から帰りたがるのなんとかしたいと思って、ただ闇雲に距離を伸ばそうとしても難しいです。
無理をすれば、信頼関係がくずれる恐れもあります。
ここでは、私が3代目と4代目の愛犬に対して行い良かった方法を、ここに書き残したいと思います。
さりげなく行く手を阻む方法
わんちゃんも繰り返しお散歩していれば、道を覚えます。
特に散歩が苦手で家に帰りたい場合、最短距離で帰れる道をよく知っています。
また、特定の道が散歩コースとして無意識の習慣になっている可能性もあります。
3代目の愛犬は、散歩にメリットを感じておらず、最短距離の散歩コースを自ら進んでいました。
そこで、やってみたのが、さりげなく犬が行く方向を遮る方法です。
声をかけたり犬の方を見たりせず、さりげなく行く手を阻む感じです。
毎日散歩していれば、愛犬がどこで曲がるかなど、パターンがだいたい分かります。
うちの3代目の愛犬も、ある場所で必ず曲がろうとします(家の方向に)。
それがわかっているので、少し前の地点からさりげなく、わんこが曲がる側に立って歩くのです。
そうするとあら不思議!
曲がらず、自然にまっすぐ歩いてくれたのです。
偶然かと思ったのですが、やはり別の場所で何回しても結果は同じ。
試しに、父親にも伝えてしてもらったら、やっぱり非常にスムーズに歩いたそうです。
たまにうっかり声をかけながら方向転換したり、犬の方に意識を向けながらしてしまうことがあります。
すると、犬が怒ったり、抵抗したりしてうまくいきませんでした。
ポイントは、あくまでさりげなく行く手を遮ることです。
声をかけず、自然な動きで行います。
これだと、リードを引っぱる必要もなく、とてもスムーズに散歩の距離を伸ばすことができました。
いきなり長距離ではなくて、少しずつ無理せず行います。
たまに何をどうしても帰ろうとすることもあります。
でも、その時は無理はしていません。
というのも、やっぱりそういう時は体調であったり、何かしら理由があるとわかったからです。
そこで無理をしてしまえば、散歩が嫌いになってしまいます。
なので、一旦おすわりをさせて、それから「GO」と声をかけ、家の方向に歩かせるようにしました。
こんな感じで、根気よく続けていたところ、1~2か月くらいで最初の頃の5倍くらいの距離を当たり前に歩けるようになりました。
リードを引っぱることもほとんどなくて、私の横に寄り添うように歩きます。
たまに、引っ張ることもありますが、その場合もさりげなく愛犬の前に出て、さっさと歩きづらくしてみます。
すると、落ち着き、歩幅を合わせてくれています。
この方法は、リーダーウォークの考え方をヒントに、私がアレンジした方法になります。
少しずつ外に慣らしていく
この方法は、今いる4代目の愛犬に行った方法です。
4代目の愛犬は、はじめての柴犬ちゃん。
ですから、柴犬の特徴とかいろいろ調べている中で、散歩は朝晩それぞれ30分以上必要という情報がありました。
私はそれをまじめに捉え過ぎました。
最初の数日は家の周りを少し歩かせるだけでしたが、毎日少しずつではあるものの、どんどん距離を伸ばしていったのです。
そして、いつも30分を目指しました。
30分歩くと、「散歩に行った!」という達成感のようなものはあります。
ですが、愛犬には負担でした。
ある日、散歩に呼んでも、クレートから出てこなくなったのです。
あきらかに散歩を嫌がっていると思いました。
そして、自分を振り返り、深く反省しました。
幸い愛犬は、非常に食いしん坊だったので、おやつをどんどん使いました。
具体的には、名前を呼んで、クレートから顔を出したらほめておやつをあげる。
おすわりしたらほめておやつをあげる。
ハーネスつかさせてくれたらほめておやつをあげる。
このように、1つ指示に従ってくれるたびにほめることを地道に繰り返しました。
もちろん、どんどんおやつをあげてしまうと食べ過ぎになります。
ですから、一日の食事の中からおやつ分として取り分け、小さく切って(大きめのドライフードのため)与えるようにしました。
こうして、ようやく家の外に連れ出したら、とりあえず庭です。
庭で少し過ごすことに慣れてもらい、ほめる、おやつ。
家の前の道に出たら、ほめる、おやつ。
このようにして、じっくりじっくりと慣らせていきました。
とにかく食いしん坊なので、おやつを使うことで、引っ張ったりすることもなく、少しずつ距離を伸ばすことができました。
また、小さな物音や車、子どもの声にもおびえてしまうので、静かな時間帯と道を選ぶようにしました。
歩いてほしい道の誘導は、上記の「さりげなく行く手を阻む方法」を使いました。
4代目の愛犬の場合、遠くの方に知らない人がいたり、向かってくる車があったりすると、じっと見つめて様子をうかがいます。
その時に、急かして歩かせようとしてしまうと、恐怖がこみあげてくるのかパニックになり、後ずさりしてしまいます。
後ずさりすると、ハーネスが抜けてしまう危険もあります。
いずれにしても、興奮してそのまま勢いで帰る状態になると、ただこわい体験として残るでしょう。
ですから、その場で止まって寄り添い、人や車が通り過ぎるのを待ちます。
あるいは、道を変えたり。
犬が好きな知人やご近所様が近づいてきた場合は、私が笑顔で相手とあいさつする様子を見せたりしていると、愛犬もそっと近づいていったりします。
そういう場合は、触れ合ってもらっています。
こうして、少しずつ外に慣らしていくようにしたところ、散歩の時間に名前を呼ぶと、自分でちゃんと出てきてくれるようになりました。
ハーネスをつけるのは、毎回最初はうろうろして避けます。
ですが、最終的にはおすわりして、つけさせてくれるので、ほめておやつをあげています。
なお、慣れて習慣になった行動は、少しずつおやつを減らしています。
終わりに
散歩に行きたがらない、帰りたがる理由はいろいろですが、愛犬の様子を丁寧に観察してみると、理由が必ず見えてきます。
外をこわがっているのかもしれないし、散歩がつまらないものになっているのかもしれない。
体調の問題があるのかもしれないし、今の散歩コースで嫌な体験があったのかもしれない。
散歩嫌いに対する方法はたくさんありますが、まずは愛犬の様子をよく観察してみることがとても大切ですね。
ここでご紹介した方法が、他のわんちゃんにも合うかはわかりません。
その上で、関わりを考えるきっかけ、参考になれば幸いです。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。